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イベントDXのスプラシア、「デジタルエクスペリエンス株式会社」へ社名変更 
イベントにとどまらない新領域へ事業を拡張

 

イベントプラットフォーム「EXPOLINE」などITプロダクトを提供しているスプラシアは、2025年1月1日付で社名を「デジタルエクスペリエンス株式会社」に変更する。

新社名には「イベントDXをより強力に推進し、イベントにおける体験の向上とビジネス成果の最大化を目指すと共に、お客様への価値提供をより一層充実させていくために、イベント領域にとどまらず新しい領域への事業展開を進めていく」という思いが込められている。

代表取締役社長の中島優太氏は、「これまで培ってきた強みを基盤に、イベントDX支援や事業領域の拡大を通じて、より高い価値をクライアントに提供してまいります」と意気込みを語った。


 
▲新しいコーポレートロゴは、「Digital Experience」のロゴタイプとそれぞれの頭文字を組み合わせた「Dex」のロゴマークで構成。
ロゴマークのXのデザインには漢字の「人」を組み込み、「デジタルに体験を体験にデジタルを掛け合わせることで、クライアントに新たな価値を提供していきたい」という同社の姿勢が表現されている。

①強化される体制・機能

スプラシアで培ったプロダクトの強みを軸に、プランニング、クリエイティブ機能データ分析の体制を強化。

リアル・デジタルを通じユーザーに価値ある体験をITで創造し、顧客の成果にコミットする。

②WEBコミュニケーション領域へ事業の拡張

同社は、オンライン/ハイブリッドイベントWEBプロモーション特設サイト等にも強みを持つ。

自社プロダクト「EXPOLINE」を軸にイベントDXを強化するとともに、WEBコミュニケーション領域へサービスを拡大していく。

デジタルエクスペリエンス株式会社について

イベントプラットフォームの主力プロダクト「EXPOLINE」やアンケートシステム「Anky」を有し、プロダクト開発力にも強みを持つ。

社員の平均年齢34歳で、社員数は50名、うち15名がエンジニアとなっている。

年間約100件のイベント実施やプロモーションを支援。

【クライアントと実績例】

【沿革】

【特集】「CES 2025」注目の出展企業情報まとめ(最新版)

世界最大級のテクノロジー展「CES 2025」(主催:全米民生技術協会=CTA)が2025年1月7日(火)から10日(金)まで(米国時間)の4日間、米・ラスベガスで開催される。本特集では日本企業を中心に、注目の出展企業の最新情報をまとめた。
(五十音順、随時更新。最終更新:2024年1月8日)

 

アルプスアルパイン(LVCC, North Hall – 10548)

磁気とセンサーの技術により、感触とON時点の押し込み量の変更の両方を兼ね備えたスイッチを初出展。ヘビーユーザーの多いアミューズメント市場において、コントローラーに求められるニーズは年々高まっている。同製品を使用することで、ユーザー個人の好みに合わせた操作感を実現するだけでなく、ゲームのシーンに応じた操作の感触を可能にし、臨場感を与えることに寄与する。
また、「1A1M形マルチユース ミリ波レーダーセンサー」も出展する。優れた堅牢構造と耐環境性を誇り、様々なシーンで活躍する。段ボール箱の内容物やポリタンク内の液面など、反射の弱い物体を透過して複数の対象との距離を同時に検知することが可能。水蒸気や粉塵などの環境でも誤検知しにくい精度の高さも持ち合わせる。Bluetooth通信に対応しており、パソコン画面でセンサーの設定やモニタリングが可能。

 

旭化成エレクトロニクス(Venetian Expo, Halls A-D – 54418)

エイジテック分野からは、高齢者の見守り用途を想定し、6m×6mの空間内で、最大3名までの存在検知や位置追跡を行うことができ、また姿勢の検知も可能な「ミリ波による高齢者見守りソリューション」を展示するほか、DC/DCコンバーター(AP4470L)を使用し尿中の水分を利用して発電し、バッテリーレスで排尿を通知する「スマートおむつ」のコンセプトデモを実施する。
その他の分野では「ウェアラブル機器向け温度・筋電位(EMG)計測ソリューション」、「スマートホーム向けソリューション」、「車載ソリューション(ミリ波レーダーによる生体センシング、光学樹脂を使った次世代HUD)」の展示も行う。

高齢者見守りソリューション イメージ

 

AGC(LVCC, West Hall – 6466 & 6576, Venetian, Lvl 2 – Bellini 2001A)

<次世代モビリティ分野>では安全性と先進性に寄与する「次世代HUD」や、ディスプレイとの一体感を高め卓越したデザインを実現する「薄型狭額縁深曲げデュアルディスプレイ」などを展示。ガラスが持つ質感と美観、機能性が融合した未来のコックピットを体感することがでる。
<次世代半導体分野>ではAGCが開発・生産・販売している、「EUVフォトマスクブランクス」や「CMPスラリー」といった、最先端半導体の製造に欠かせない部材を展示。次世代半導体パッケージ向けガラスコア基板はガラスの優れた剛性と平坦性、微細加工性等により、半導体の更なる高集積化・高性能化の実現に貢献することが期待されている。
<次世代エネルギー分野>では、太陽光など電圧変動が大きい再生可能エネルギー由来のグリーン水素の製造に適したフッ素系イオン交換膜「FORBLUE Sシリーズ」を展示する。

コックピットデモンストレーター(CES2025 展示予定)
微細孔付きガラス基板(Through Glass Vias)

 

 

 

 

 

NTT QONOQ(Venetian Expo, Hall G – 61217)

JAPAN TECHにてXRグラス「MiRZA(ミルザ)」を展示する。
MiRZAは2024年10月に発売したNTTコノキューデバイス製のXRグラス。着脱のしやすさ・疲れにくさを重視し、約125gの軽量で一般的なメガネに近い形状を実現。MiRZAと無線接続したスマートフォンを用いてハンドジェスチャなどでコンテンツを操作できる。
CES 2025では以下のコンテンツを展示予定。①MR技術により技術継承、人手不足、安全確保などの課題を解決する遠隔作業支援ソリューションを体験する「NTT XR Real Support」。②コノキューのバーチャルアーティストユニット「Tacitly(タシットリー)」による音楽ライブを、MiRZAを通してまるで目の前で歌って踊っているように視聴できる「Tacitly ARミュージックビデオ」。③XRAI(エックスレイ)が提供する多数の受賞歴のあるアプリXRAI GlassをMiRZAで体験する「XRAI Glass-文字起こし・通訳アプリ」。④“ルーム”と呼ばれる空間に画像や動画などのコンテンツを配置・保存して、持ち運べるサービス「AR ROOM」。⑤MiRZAをかけると周囲が360度キャンバスになり、指先だけで空中に立体的な絵を描ける「AR Painting」。
また、複数のカメラで現実空間を撮影し、3Dデータ化して自由視点で再現する映像技術「ボリュメトリックビデオ」のデモコンテンツとしてMiRZA上で見ることも可能。

 

ENEOSホールディングス(LVCC, North Hall – 9827)

水素社会に向け世界初の技術実証に成功した「Direct MCH技術」や、「合成燃料」「潤滑油」「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):二酸化炭素の回収、活用、貯留)」の研究開発事例など、カーボンニュートラル社会実現に資する各種技術を展示する。
同社独自の「Direct MCH技術」はMCH製造を電解槽のみのシンプルなプロセスで実現。設備投資削減とエネルギー効率向上を実現しており、安価なCO₂フリー 水素供給に向けてリーダーシップを確立している。
また、同社グループで石油・天然ガスの開発・生産を担ってきたENEOS Exploraは、地下技術を強みにCO₂を分離・回収して地下に圧入・貯留するCCSと、回収したCO₂を地下に圧入するだけでなく再利用するCCUS技術を世界に先駆けて推進している。

 

LGイノテック(LVCC, West Hall – 3800)

韓国のソウルに本社を置く電子部品メーカーであるLGイノテックは、CES 2025で車両照明モジュール「ネックスライドA+」や、LiDAR(光検出測距)、自動運転用センシング部品など、差別化されたさまざまな製品を発表する予定。
CES 2025イノベーションアワードを受賞した「ネックスライドA+」は、自動車の前方照明モジュールに面光源を適用。一般的な点光源と異なり、表面全体に均一に光を放射する。独自の面光源技術により追加部品なしで均一な明るさを実現し、既存製品よりモジュールを40%薄くした。空間の効率的な活用と車両設計の柔軟性の向上を可能とする。
また、高耐熱樹脂コーティングやフィルム技術の適用により放熱性能が向上し、明るさも従来の後方照明製品に比べて5倍向上。デイタイムランニングライト(DRL)世界法定基準である500cd(カンデラ)をクリアしている。

 

obniz(Venetian Expo, Hall G – 61000、61001)

J-Startup/JAPANパビリオンで、2025年4月頃より一般発売予定の新製品「Intelligent Edge」を発表する。ブースでは先行販売を含む各種商談やパートナーシップ提携の相談も受け付ける。
同製品は独自OS「obniz OS」を搭載しており、同社のアプリ「obniz Now」にも対応。Intelligent Edgeとobniz Nowを組み合わせて使うだけで、稼働・エラーの監視やクラウドやアプリと組み合わせた自動制御などが可能になる。大型の製造装置から小型の玩具まで、電気で動作するほとんど全ての機器に対応する。
複雑なシステム構築やプログラミングが不要で、1台から購入可能。小規模のプロトタイプ開発やPoCにも最適で、「自分でハンズオンで組み立ててコストを抑えたい」といったニーズにも応える。

 

Garmin(LVCC, West Hall – 3540)

CES 2025モバイル機器、アクセサリー、アプリ部門でベスト・オブ・イノベーションを受賞した、冒険家・登山愛好家向け衛星通信コミュニケーター「inReach Messenger Plus」などを出展。
「inReach Messenger Plus」は、コンパクトサイズのボディに、全世界カバーの衛星通信ネットワークを活用した高速で大容量のメッセージ送受信、位置情報の共有、SOS発信に加え、写真とボイスメッセージ機能を備えたGarmin初の衛星通信デバイス。陸海問わず、携帯電話の電波の届かない場所にいるすべてのユーザーに有用なアイテムで、安全を確保するナビゲーションや緊急時に助けを求める機能に留まらず、家族や仲間とのコミュニケーションツールとしてさまざまに活用できる。

 

加賀FEI & KAGA FEI America(LVCC, North Hall – 10663)

無線LAN/Bluetoothモジュール「CONTINECT」の出展では、20種類以上のBluetooth Low EnergyとWireless LANのモジュールを紹介。オフィスやホテルをイメージし、遠隔で全部屋のドアの状態監視、一括施錠/開錠の操作が出来るスマートキーメッシュネットワークデモを実施する。
UI/UX Design Tool「CANDERA」の出展では、車載分野で定評のあるCGI Studioによる四輪・二輪コックピットデモを実施。直感的なインターフェースを備え、ハードウェアに依存しないスケーラブルなソリューションを体験できる。
また、加賀電子グループが自社工場19工場(日本、ASEAN、ヨーロッパ、北中米)を保持し、、グローバル展開するEMS (Electronics Manufacturing Service)事業の紹介も行う。

 

CalTa(Venetian Expo, Hall G – 61001)

日本国内で高い評価を得ているデジタルツインプラットフォーム「TRANCITY」を出展。「TRANCITY」は、スマートフォンやドローンなどで撮影した動画データをアップロードするだけで、撮影した構造物や空間の3D・点群データを生成することができるウェブアプリケーション。線路や橋梁、配管、工場などを簡単にデジタル化することで、3D空間(デジタルツイン)上で、遠隔地にいながら、現場の点検・計測業務などを確認・管理することが可能。

 

Casley Deep Innovations(Venetian Expo, Hall G – 61217)

クラウドのデータストレージを使わず、機密文書や動画、画像ファイルを多数の意味のないバイナリデータに分割し、暗号化をかけ、それをノードにつながった分散コンピュータに保存し、オリジナルファイルを削除することで、ハッカーによる攻撃を受けてもオリジナルファイルの複合化が極めて困難な、非サーバ型機密分散保存を実現する、ハイパー・セキュア・ストレージ技術「 furehako(フレハコ)」を出展。
ソフトウェア内部で利用されるハイパー・セキュア・ネットワーク技術は特殊なシールドを設け通信網の内部のパケットを秘匿化する。この技術は日本の政府関連機関などでもすでに採用されており、機密性、安全性が確認されている。

 

GIGABYTE Technology(LVCC, North Hall – 8505、Venetian, Lvl 3 – San Polo 3504、Venetian, Lvl 3 – San Polo 3505)

台湾のパソコン・周辺機器メーカーである同社は、「ACCEVOLUTION」というテーマの下、CES 2025でさまざまな最先端技術を紹介する。
主な展示内容は、①大規模データセンター向けのラックスケールのクラスタコンピューティングソリューション、② 次世代の「スーパーチップ」をサポートするAIサーバー、③エネルギー効率とパフォーマンスを最適化する高度な冷却技術、④小規模なワークロード向けにカスタマイズされたワークステーション、⑤エンドポイント展開および商用アプリケーション向けに設計されたミニPC、組み込みシステム、車載プラットフォーム、など。

 

Gigalogy(Venetian Expo, Hall G – 61000) 

J-Startupパビリオンへ出展。ノーコードで生成AIを用いたスマートアプリケーションが開発できるプラットフォーム「Maira」を紹介する。
「Maira」は、先進的な生成AIを用いたスマートアプリケーションをノーコードかつ最短30分で開発できるプラットフォーム。直感的な操作画面を備えたUIから直接アプリケーションが作成できるように設計されており、技術的な知識に関わらず、誰でも簡単にプラットフォームを操作し、高度なアプリケーションが構築できる。利用することで、誰でも簡単に、短時間・低コストでスマートアプリを構築でき、企業の生産性とイノベーションを向上させる。

 

GEEKOM(LVCC, South Hall 1 – 31166)

台湾のテック企業であるGEEKOMはCESに2年連続出展。業界初のミニPCを展示する。
GEEKOM QS1はQualcommチップセットを搭載した世界初のミニPC。12個の4.0GHz Oryon CPUコアを搭載したARMベースのQualcomm Snapdragon X1E-80-100プロセッサ、3.8 TFLOPSのAdreno X1-85 GPU、45 TOPSのHexagon NPUを備えている。家庭やオフィスでのコンピュータ作業をスムーズにこなすほか、電力効率も非常に高く、電気代を大幅に削減することができる。
GEEKOM A9 Maxは強力なAMD Ryzen AI 9 HX 375プロセッサ(12個のZen 5およびZen 5c CPUコア)、Radeon 890M iGPU、最大80 TOPSのAI性能を搭載し。オフィス・ワーク、ゲーム、コンテンツ作成の体験を次のレベルへと引き上げる。
GEEKOM IT15は最新のIntel Core Ultraプロセッサ(最大U9-285H)、デュアルチャンネルDDR5-5600MHz RAM、デュアルSSDスロット、高速SDカード・リーダー、そしてクアッドモニター・セットアップをサポートするIT15は、コンテンツ・クリエイターに重宝される。


京セラ(LVCC, West Hall – 4816)

ブースではグループ会社であるKyocera AVX ComponentsやKyocera SLD Laseの製品も展示。
” Technology Advancing Mobility, for Engineers Driving the World Forward”をコンセプトに、高精細空中ディスプレイやAI測距カメラ、水中光無線通信など、モビリティ社会の実現に貢献する部品からシステムまで同社グループの製品・技術を紹介する。

 

小糸製作所(LVCC, West Hall – 6522) 

2018年の初出展から今回で7回目となる。ブースでは、次世代モビリティ社会に向けた小糸グループのライティングとセンシング技術を、来場者が実際に体験・体感することが可能。また、米カリフォルニア州にあるCepton(セプトン社)との協業事例など、オープンイノベーションの取り組みも紹介する。
ドライバーに最適な夜間視界を提供するライティング技術であり、米国でも2022年2月に法制化され「ADB」について、同社では次世代ADBとしてハイビームの照射範囲を16,000 個に分割し、点消灯・出力光度を制御することで、前方の車両だけなく、歩行者や標識にも最適な配光を提供する前照灯の機能に加え、クルマの状態・意思(メッセージ)を周囲の交通参加者に視覚的に伝える路面描画機能も搭載した「高精細ADB」のデモンストレーションを実施する。

高精細ADBは路面にメッセージを描画することができる

 

コーセー & 東京エレクトロン デバイス(Venetian Expo, Halls A-D – 55339)

コーセーと共同出展。コーセーと東京科学大学(旧:東京工業大学)工学院 情報通信系 渡辺義浩研究室が共同開発したリアルなメイクシミュレーションシステムによって、化粧品の色をプロジェクションに反映させる色補正技術や動く顔にも追従できる高速プロジェクションマッピング技術を体験することが可能。
高速プロジェクションマッピング技術には、東京エレクトロン デバイスが開発したモノクロ時/Max 1000fps8bit階調、カラー時/Max 925fps24bit階調で投影可能な「DynaFlash(ダイナフラッシュ)」による超高速画像処理技術が採用されている。

 

commissure(Venetian Expo, Hall G – 61217)

JAPAN TECHブースに出展。独自の特許取得技術を活用したハプティックデバイス「FeelFuse」を初公開する。
FeelFuseでは振動刺激及び回転せん断刺激(皮膚の上を捻るような刺激)によって多様な感覚を提示可能。指先のモジュールでは振動刺激を加えることで何かを持ったり撫でたりといった身体表面の感覚を提示する。手首のモジュールでは回転せん断刺激を加えることで、何かに引っ張られたり重さを感じるなど身体内部の感覚を再現。これらの振動刺激と回転せん断刺激が調和することで、多様な感覚を生み出し、現実に近い触覚体験を実現する。
ブースでは動物との触れ合い体験、危険な場所での作業体験、果物を絞る体験のデモを予定。

 

Qorvo(Venetian Expo, Halls A-D – 52908)

「進化するスマートリビング」をテーマにIoT、スマートホーム、自動車、超広帯域(UWB)アプリケーション向け最新技術を展示する。
展示内容は、①同社独自のConcurrentConnect技術を活用し、複数のスマートホーム規格を同時運用する「Matter」、②車載アプリケーション向けのセキュアなデジタルアクセスと正確なリアルタイム位置追跡を行う「UWB自動車技術」、③資産追跡、紛失物発見、室内ナビゲーションなどのアプリケーション向けの高度なリアルタイム位置情報サービス「Find My」、④ヘルスケアおよびスマートリビング向けの存在検知および呼吸検出機能「UWBレーダー」、⑤機械式ボタンを置き換え、よりスマートで直感的な操作を可能にする「タッチセンシング技術」、⑥線形および非線形Wi-Fiテクノロジ-で設計の柔軟性と高性能を提供する「Wi-Fi 7」など。

 

コンチネンタル・オートモーティブ(LVCC, Central Plaza – CP-715)

車両とドライバー間のインタラクションのための技術革新を、特別に準備したデモカー「インテリジェント・ビークル・エクスペリエンス・カー」で紹介する。
今後3年から5年の間で量産化が見込まれるさまざまなソリューションを集約したこのデモカーは、ヒトと車両間の車外のコミュニケーション、とりわけ、生体認証を使用した直感的でタッチフリーのアクセスに焦点を当てている。ユーザーが乗車する前から車両側がユーザーを認識し、顔や動きの特性を解釈して車両を開閉したり、スーパーマーケットの駐車場でテールゲートを積極的に開けたりするなどのアクションを導き出す。さらに、車両使用を許可されておらず、犯罪の意図を持って車両に近づく可能性のある人物の特定も可能。この場合、ドアはロックされたままで、警告を発する。
また、最新のディスプレー技術とスワロフスキーのユニークなデザイン要素を集約した「エモーショナルコックピット」や、乗客の生体パラメーターをモニタリングする「インビジブル・バイオメトリクス・センシング・ディスプレー」なども出展する。

 

Jizai(Venetian Expo, Hall G – 61001)

Japanパビリオンに出展。開発中の「カスタマイズできる汎用AIロボット”Mi-Mo(ミーモ)”」初号機を展示するほか、会期中に開催される3つのメディアイベント「LaunchIT」「Unveiled」「ShowStoppers」にも出展・登壇する。

 

Thinker(Venetian Expo, Hall G – 61001, J-Startup)

ジェトロがスタートアップ限定エリア「Eureka Park」に設置する「Japanパビリオン」へ出展。
防塵・防水タイプの近接覚センサー「TK-01G」のデモンストレーションを行う。カメラを用いることなく、赤外線とAIを組み合わせた独自の高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触かつ高速に把握できる。これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となり、ロボットハンドによるピッキングの可能性を広げる。また、ティーチング(ロボットに作業を教え込む工程)の時間や労力を大幅に軽減できることから、従来と異なる領域でのロボットハンドの活用も期待される。
同センサーはほこりや水沫のある現場でも採用できるよう、適切なケーシングをすることでメンテナンスを容易にするために開発された。防塵機能を備えることで、ロボットの安定したハンドリングを可能とし、これまで導入が見送られてきた製造現場でも活用できるようになる。     

 

 

 

 

 

 

スズキ(LVCC, West Hall – 5340)

初出展となる今回、「Impact of the Small(小さなものづくりが、大きく社会を変える)」をテーマに出展。創業以来、大切にしてきたものづくりの理念「小・少・軽・短・美」を通じた、社会課題の解決に共感する仲間づくりを目的に掲げる。
「小・少・軽・短・美」とは、製品はコンパクトに(小)、シンプルに(少)、軽く(軽)、スピーディーに(短)開発し、その調和は必然に美しいもの(美)になる、という理念。会場ではそれを体現した製品例としてスズキが日本で生産・販売している軽トラック「スーパーキャリイ」を参考出品。また、電動車いすの技術を応用した「電動モビリティベースユニット」を展示。さらに、協業例としてApplied Electric Vehicles(Applied EV)、Glydways(Glydways)それぞれの車両を展示・紹介する。

軽トラック「スーパーキャリイ」

 

住友ゴム工業(LVCC, West Hall – 4824)

2年連続で「SENSING CORE」ブースを出展。また、一般公開に先立って1月6日(月)に開催されるメディアデーのパワーセッションにも初出展する。
パワーセッションでは、より安全なモビリティ社会が実現できるという未来の可能性についてプレゼンテーションを行う。クルマがソフトウェア化する自動運転社会において、住友ゴム独自のSENSING CORE 技術が、カメラやレーザー光だけでは計測できないタイヤの状況や路面などの環境情報をセンシングすることで、リアルタイムに車両や路面状態を把握する。
ブースでは2024年のCESで出資を発表した、AIを活用した車両故障予知ソリューションサービスを提供する米国のベンチャー企業Viaduct(バイアダクト)との協業ソリューションの紹介や、今後の展望などを披露する。

 

Cellid(LVCC, North Hall – 8374)

4度目の出展となる今回、初めて自社開発に成功し2024年11月に発表したメガネタイプARグラスのリファレンスデザイン(検証モデル)や最新のウェイブガイドも含め、実用シナリオを想起させるデモを通じ日常に溶け込む軽量な次世代のARグラスを体験することが可能。

 

ソニー・ホンダモビリティ(LVCC, Central Hall – 19904)

2022年にソニーグループとHondaの合弁会社として設立された同社では、人とモビリティの新しい関係を提案するブランド「AFEELA」を立ち上げ、2025年に最初の量産EVモデルを発売。2026年にはデリバリーを開始する予定。
ブースでは発売に向けて進化した最新モデルを展示。展示車両やさまざまな動画を通じ、AFEELAが提供価値として掲げるコンセプトAutonomy(進化する自律性)、Augmentation(身体、時空間の拡張)、Affinity(人との協調、社会との共生)の具体像や、最新の取り組みを紹介。
また、ソニー・ホンダモビリティとしてCESで初めてとなる、自社単独のプレスカンファレンスを開催。1月7日(火)の自社単独プレスカンファレンスでは、AFEELAの全体像についてより詳しい説明をする。

 

ダイヤ工業(Venetian Expo, Hall G – 61217)

Japan Tech内に出展。電源不要かつ軽量柔軟で服のように手軽に着られるアシストスーツの製品展示・ピッチを行う。
今回、米国・カナダでの市場調査の結果を反映した製品を展示。現場の声に寄り添いたいという考えから、ユニフォームの中にアシスト機能を追加した。また、安全ベストとアシストスーツの両方を着用する手間を省き、利用者のコストメリットもある。安全ベスト(ユニフォーム)+アシストスーツの形状を提案する。
また、CES2024で紹介し大好評だったアシストスーツをデザイン性、装着性、利便性を向上させて展示。空気圧人工筋によるアクティブな支援ができる、まるで衣服のように軽量柔軟。主に荷物の持ち上げ時に背中から腰にかけて筋肉を支援する。実際に会場で着用することも可能。

 

タダノ(LVCC, West Hall – 6552)

初出展となる今回、「Safety. Every day. Every lift.」をコンセプトに、吊荷制御や周辺監視などの安全な建設現場を実現するための技術研究所の取り組みを展示。業界内外に幅広く技術・ソリューションをPRすることで、新たなパートナーの発掘、イノベーションの発見を期待する。

 

ダッソー・システムズ(LVCC, North Hall – 8705)

バーチャルの力で人々がより長く、よりよく生きることができるよう支援する、ヘルスケアとウェルネスの未来を紹介。インタラクティブな展示ブースで、バーチャルツインの活用・導入事例、没入型の視覚映像の紹介や、スタートアップ企業のプレゼンテーションや専門家によるセッションを実施。バーチャルツインとリアルタイムデータの融合による、健康課題解決や個別化された健康管理におけるイノベーションを体験できる。
また、「バーチャル・ヒューマンエクスペリエンス:生命のバーチャル・シティをめぐる旅」と題したインタラクティブな展示を実施。人体を「都市」に見立て、疾患の予知や個別化治療、公衆衛生の戦略策定におけるバーチャルツインの可能性に焦点を当てる。AIを活用した健康状態の最適化を視覚映像で解説し、生物学と工学の深い関連性を明らかにする。

 

知財図鑑(Venetian Expo, Hall G – 61000)

Japan(J-Startup)パビリオンに出展。AIを活用した新規事業アイデア共創プラットフォーム「ideaflow(アイデアフロー)」を展示する。
「ideaflow」は2024年6月末のプレスリリース以降、これまで500を超える企業の新規事業部門や知財部門から問い合わせがあり、さまざまな領域の事業アイデア創出に活用されてきた。製造メーカー・ゲーム会社・スタートアップ・コンサルティングファームなどで正式導入が進んでいるほか、大学や自治体とのアイデア共創ワークショップなども実施されており、アイデア創出におけるAI活用やコラボ発想ツールとしての利用が注目されている。
その反響を受け、2025年2月には個人ユーザー向けの無料版を公開することを決定。中小企業やスタートアップ、個人研究者など幅広いユーザーが、知財情報とAIを駆使して新たなアイデアを生み出す機会を得られるようになる。リリースに向けて、現在ウェイティングリストで事前登録を受付中。

 

ティアフォー(LVCC, West Hall – 3460)

自動運転のためのオープンソースソフトウェア「Autoware」を基盤とした自動運転レベル4の実用化に向けたソリューションと、自動運転のためのAI開発をスケールさせるプラットフォーム「Co-MLOps」のデモを実施する。
展示内容としては①AI Pilot:自動運転車両に搭載したセンサーによるCES会場のライブセンシング、②Open AD Kit:車載向けECUを用いた、SOAFEE準拠のアーキテクチャに基づくクラウドネイティブなAutowareのプランニングとパーセプションのデモ、③AWSIM:東京・お台場のバーチャル空間を走行する車両シミュレーションおよびリアルタイムシステムモニタリング、④Co-MLOpsプラットフォーム:データ検索・可視化およびアクティブラーニング機能のハンズオン、⑤Co-MLOpsリファレンスAI:データ収集車両(画像右側)に搭載したセンサーシステムを使ったライブパーセプションを予定。

ブースイメージ(公式HPより)

 

TCL (LVCC, Central Hall – 17704)

中国の広東省恵州市に本社を置く電気機器メーカーである同社は、今回で31年間連続の参加となる。
今年の展示の目玉として、これまでにない視覚体験を提供する革新的なQD-Mini LED技術と製品を発表。受賞歴のあるNXTPAPERテクノロジーの展示とともに、NXTPAPER 4.0を正式に発表する。
また、新製品カテゴリーにおける最新AI技術と、世界的に有名なテクノロジーブランドとの提携を紹介。さらに、エネルギー効率を向上させ、ユーザー体験を充実させるために設計されたインテリジェントソリューションとの統合を含むスマートホームエコシステムを発表する。これにはエアコン、ビルトイン冷蔵庫、洗濯機、スマートロック、モバイルルーターが含まれる。

TCL CES 2025 KV

 

TBS(Venetian Expo, Hall G – 61217)

日本パビリオンブース内で、TBSテレビとWOWOWが共同開発した映像・音声・制御信号伝送ソフトウェア「Live Multi Studio(略称:LMS)」を使い、ラスベガスの会場と東京・赤坂のTBSを繋いだ、リモートプロダクションのデモを予定。LMSは2024年3月に一般提供を開始。TBSのテクノロジービジネスを牽引する製品であり、一般的なインターネット回線を用いて放送局クオリティーの映像伝送を行うことができる。特許を取得した“Multi Latency”(ひとつの帯域から、超低遅延映像と遅延ありだが高品質な映像を作ることができる機能)が最大の特徴で、ポート開放不要で簡単接続、制御信号の送信も可能。
映像制作分野はもちろん、VTuber事業、イベントやメディアアート、機器遠隔制御など多くの分野から注目を集めている。

DIC(LVCC, South Hall 3 – 40726LVCC, South Hall 3 – 40726)

CES Innovation Awards 2025 Honoreeを受賞した、全方位マルチコプター「HAGAMOSphere(アガモスフィア)」のプロトタイプを初出展。8つのプロペラの回転を独自のアルゴリズムで制御することで、機体を傾けることなく移動することができる。さらに、幾何学形状の球体ガードを装着することで、地上を転がって自力で移動することも可能。陸上や空中、両方での活動に対応し、ドローンの活躍の幅を広げる。

 

トゥーコネクト(Venetian Expo, Hall G – 61001)

Japanパビリオン内ウォーターデザインジャパンブースに出展。高速ナノバブル水ジェネレーター「NanoWasala ナノバサラ」を展示する。
同製品は、業務用に開発された優れた技術を担保したまま、浴室用にアレンジした「高速ナノバブル水ジェネレーター(ナノバブル生成器)」。生成されるナノバブルは0.001㎜未満の超微細バブルで、一般的に知られているマイクロバブルの100分の1サイズ。1秒間に約3億個以上のナノバブルを供給するためマイクロバブルでは入り込めない細かい隙間にも入り込み、水の洗浄力を高める効果がある。

 

トヨタ自動車

トヨタ自動車は2024年12月17日、公式YouTubeチャンネルに「CES 2025 ティザー動画:Welcome to Woven City」を投稿。同日には2025年1月7日(日本時間)、豊田章男会長がCES 2025でプレスカンファレンスを行うことも発表した。
5年ぶりの参加となる今回、同社が静岡・裾野市で建設中の実験都市「ウーブン・シティ」の取り組みについて紹介を行う。2020年のCESで発表されたこの都市ではトヨタグループ、スタートアップ、研究機関、企業などの「Inventors」と、住民や来訪者などの「Weavers」が集い、コネクテッド・カーや自動運転などに関する、さまざまな実験を行うことが想定されている。

画像は公式チャンネル「CES 2025 ティザー動画:Welcome to Woven City」スクリーンショット

 

ニコン(LVCC, Central Hall – 19504)

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)と共創した、望遠レンズと広角レンズを一体化し、遠方と周辺を確認できる革新的な車載カメラシステムを展示する。
望遠レンズと広角レンズの一体化を実現し、遠方と周辺を同時に撮影することが可能。遠方と周辺の光軸が同一のために視差が生じないことから、車載カメラであればAIが車両周辺の情報を画像認識する際に、遠方で認識した標識や他車をトラッキングしても、対象を見失ったり二重に認識したりする問題を減らすことができる。
また、車載カメラとして活用する場合、望遠レンズと広角レンズを一体化したカメラシステムを効果的に車体に配置することにより、車両に設置するカメラ台数を抑えながら全周囲360度を途切れなく見ることが可能。従来の課題であったシステムコストや故障率などの低減が期待できる。

CES2025に展示する望遠レンズと広角レンズを一体化したカメラ

 

ハイセンス(LVCC, Central Hall – 16625)

中国・山東省青島に本社を置く電機メーカーである同社は、CES 2025でAIへの革新的な取り組みを初披露し、最新のイノベーションを通じ、よりスマートな暮らしの新たな形を提案する。
ブースの中心となるテーマは、AI技術のシナリオベースの応用。テレビ分野におけるリーダーシップと卓越した画質を提供する専門知識を強化するとともに、現代のライフスタイルを変革するAIの統合を来場者に直接体験してもらう。ハイセンスはULED MiniLED TV、レーザーTV、その他のスマート家電、自動車、業務用ディスプレイ、ヘルスケア、エネルギー・システムにおける先進的なアプリケーションを含め、17の没入型体験と59の技術的ハイライトを備えた最高級の製品群を披露する予定。

Hisense will redefine smart living at CES 2025 under the theme “AI Your Life”

 

パイオニア(LVCC, West Hall – 3528)

創業以来培ってきた車室内サウンドに関する知見や、コネクティビティ、センシング、AIといった新たな強みを活かしたさまざまな商品・サービスを展示。SDV(Software Defined Vehicle)時代に向けたサウンド統合プラットフォームや二輪向けのコネクテッドソリューションを初公開する。
展示内容は、①SDV時代に最適な、拡張性の高い独自のサウンド統合プラットフォーム、②二輪用コネクテッドソリューション、③車載カメラ用高性能AIコンピューティングプラットフォーム、④コネクテッドドライブレコーダーソリューション、⑤モビリティデータや位置情報を活用したソリューションサービス。

 

palan(Venetian Expo, Hall G – 61001)

Japan(J-Startup)パビリオンに出展し、AR✕AIガイド「Spatial Guides(スペーシャルガイド)」やノーコードAR作成ツール「palanAR(パラナル)」を展示する。
「Spatial Guides」はAR技術を利用してAI NPCガイドをさまざまな場所に配置できるプラットフォーム。ブラウザ上で自分の顔写真を撮影することでアバターを簡単作成し、好きな場所に配置。配置したAIアバターはスマートフォン(WebAR)またはXR/MR/ARメガネを通じて体験可能。拡張現実(AR) × 人工知能(AI)を掛け合わせることで観光ガイドや小売店でのセールス、展示会での案内など幅広い人材不足の解消に役立つ。
「palanAR」は誰でも簡単にWebARを作成できるオンラインツール。AR名刺や商品プロモーションなど様々なシーンで使われるWebAR作成を無料(フリープラン)で試すことができ、商用利用可能なプランも用意。直感的操作により、Web制作やAR作成のプログラミング知識がなくても簡単にARを作ることが可能。2019年のサービス開始以来、イベントや教育、プロモーションなど40,000以上のARが作成されている。

 

BionicM(Venetian Expo, Hall G – 61001)

同社の開発したパワード義足「Bio Leg」を展示。従来の義足にはないパワーアシスト機能によって新しい歩行体験を提供しており、2024年5月には米国医療保険の適用承認を取得。同年8月には米国市場での販売と納品が開始され、すでに多くの顧客からその技術力と快適性について高く評価されている。
CES2025においてはAccessibility & AgeTech部門の最高賞である「Best of Innovation」を受賞し、「Innovation Awards Show Case」に特別展示される。

 

ヴァレオ(LVCC, Central Plaza – CP-709)

フランス・パリに本拠を置く自動車部品メーカーである同社は、ブースで電動化、ADAS、ライティング、持続可能性に関する最新テクノロジーを紹介。また、Piero’sの駐車場に設けるデモンストレーション・エリア(355 Convention Center Drive)では、ヴァレオのSDVソリューションに関する全ての製品を展示するほか、実演エリアでソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)向けの包括的なソリューションを紹介する。

最新世代拡張ディスプレイ「パノビジョン」 

 

VicOne

自動車業界向けの最先端サイバーセキュリティソフトウェアおよび、サービスの受賞歴のあるポートフォリオを展示する。

 

ビュージックスジャパン(LVCC, Central Hall – 19340)

新しいフルカラー1.0mm薄型ウェーブガイドと、超薄型0.7mmウェーブガイドに加え、µLED(マイクロLED)からフルカラー超小型LCoS(Liquid Crystal on Silicon)プロジェクターまで、さまざまなディスプレイエンジンを展示。
また、マイク、スピーカー、内蔵カメラを搭載したフルカラーの双眼モデルを含む、複数の新しいOEM Ultraliteスマートグラスのリファレンスプラットフォームも展示する。

 

Hyundai MOBIS(LVCC, West Hall – 4440)

ソウル特別市に本社を置く自動車部品メーカーであるHyundai MOBIS(現代モービス)は、「Beyond and More」というテーマのもと、人と関わりコミュニケーションする「ヒューマンテック」を通じて、ユニークなユーザー体験を提供する。
CES 2025では「ホログラフィック・フロントガラス・ディスプレイ」、「ヒューマンセントリック・インテリア照明システム」、脳波基盤の運転注意散漫ケアシステム「M.Brain」といった3つの技術を紹介する。
ドイツのグローバル光学企業ZEISSと共同開発した「ホログラフィック・フロントガラス・ディスプレイ」は今回が初公開となる。同製品は運転席から助手席まで車両のフロントガラス全体にさまざまな運転情報、ナビゲーション、インフォテインメントデータをパノラマ投影する。フロントガラスに特殊な光学フィルムを設置し、運転者はこの革新技術を通じて開放感と広々とした感覚を確保しながら、さまざまな情報にアクセスできるようになる。現在量産されていない次世代ディスプレイ技術として、早ければ2027年に実際の量産を開始する計画だ。

 

Penetrator(Venetian Expo, Hall G – 61000、61001)

JAPAN パビリオンの出展企業の一社として出展。2024年11月にリリースした不動産取引支援SaaS「WHERE」グローバル版を展示する。「WHERE」は衛星×AI×登記情報システムで、宅建業者及び関連業社の業務効率化及び最大化を目指す。グローバル版では全ての画面が英語翻訳に対応し、米国全土における不動産オーナーの情報取得が可能となった。

 

Honda(LVCC, West Hall – 4640)

2026年からグローバル市場への投入を予定しているEV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」のプロトタイプ2車種を世界初公開するとともに、Honda 0シリーズに搭載を予定している独自のビークルOSを発表する。
HondaはCES 2024においてHonda 0シリーズと、その開発アプローチである「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を発表した。CES 2025では1月7日(火)にプレスカンファレンスを開催し、Thin, Light, and Wise.の中でも特に“Wise”にフォーカスを当てたプレゼンテーションを行う。Honda 0シリーズに搭載する独自のビークルOSや自動運転技術がもたらす提供価値を紹介するとともに、ソフトウェアデファインドビークル(SDV)としての価値を支えるSoC(System on Chip)半導体の概要を発表する。
また、カーボンニュートラルの実現に向け、Honda 0シリーズと共に展開する新たなエネルギーサービスについても紹介する予定。

 

MIXI(Venetian Expo, Halls A-D – 52673)

CES Innovation Awards 2025 において「Robotics」部門を受賞した会話AIロボット「Romi(ロミィ)の新モデル「Romi(Lacatanモデル)」を出展する。プロトタイプ版では、新たに搭載する「視覚機能」や「自然なタイミングの会話・相づち」「人間のような自然な声」のデモを体験可能。

 

ミクロスソフトウエア(Venetian Expo, Hall G – 61217)

JAPAN TECH ブースに出展。ロボットがAIを活用して人と自然なコミュニケーションを行い、各種センサーを通じてデータを取得する「DTage」を紹介する。データをAIで分析し、ブロックチェーン技術を用いて安全に記録することで、セキュリティとプライバシーを確保しながら、データの価値を最大限に引き出すもの。
ブースではロボと人が家族や親しい友人と話すような自然で率直な会話を行い、その会話内容を分析してユーザーのメンタルヘルスの状況を数値でビジュアルに示すソフトウェアサービスを展示。健康経営での活用などを想定している。また、ロボット同士が健康に関して会話する様子も展示する。

 

みはたま(Venetian Expo, Hall G – 60654)

初の単独出展。専用アプリで好みの味を入力することで、好きな時に好みの味になるようにコーヒー豆を配合できる「Flavor Craft AI」を展示する。

 

ユカイ工学(Venetian Expo, Halls A-D – 52671)

ユカイ工学が手がける最新のロボットを一堂に展示するほか、企業との協業事例となる開発実績も紹介。味の素の研究、アイデア具現化のためプロトタイプ開発の協働に参加した、電気刺激により食品の味を増強する「電気味覚プロダクト」、ベースドラム作成の生成AIとユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO emo」の連携によるデモを体験可能。
また、新商品2製品を初公開する予定。

電気味覚プロダクト(共同出展:味の素株式会社)

 

ヨクト(Venetian Expo, Hall G – 61217)

Japanパビリオン内に出展。次世代型IoTヨガマット「yoctoMat」を展示する。
同製品は健康的なライフスタイルを追求する人のために開発された次世代型ヨガマット。重圧センサーを搭載し、専用アプリ「yoctoApp」と連携することで、リアルタイムにユーザーの姿勢や重心を可視化。初心者から上級者まで、安全かつ効果的なトレーニングが可能となる。

2025年の見本市展示会開催状況

弊社発行の「2025見本市展示会総合ハンドブック」(国内約900件・海外約2000件の展示会を収録)によると、今年1年間に開催が予定されている展示会は約980件。

(原則として企業のプライベートショーおよび即売会は除く)

ここでは、そのうちアンケート回答のあった約900件の開催概要データをもとに、開催時間別、開催頻度、入場方法別などについて、2025年の見本市展示会開催状況をグラフで紹介する。

※なお、本記事は主催者、展示会場、関連団体・企業などを対象に、昨年11月に実施したアンケートに基づいて制作したものである


より詳しいデータはぜひこちら、ご購入下さい。

「見本市展示会総合ハンドブック2025」 

 国内900件・海外2000件の展示会を収録!

 

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2024年の展示会・MICE業界 ニュース振り返り

2024年も残すところわずかとなった。
そこで今年1年の展示会・MICE業界の主なニュースを振り返ってみたい。

 

1月


能登半島地震が発生
1月1日に石川県能登半島で最大震度7の地震が発生。大きな被害が出た。金沢市にある石川県産業展示館は一次避難所や支援物資の物流拠点として利用された。

日展協新年会で新会長の堀正人氏が挨拶
2023年12月に死去した日本展示会協会(日展協)越野滋夫前会長に代わり、イノベントの堀正人氏(イノベント 取締役代表執行役社長)が会長に就任。1月11日に行われた新年懇親会で挨拶をした。活動方針として①次世代に向けた未来、②開かれたオープンな業界づくり、③課題解決に向けた迅速な行動という3つを掲げた。

 


MICE4団体による初の合同交流会が開催
2月14日に日本コンベンション協会(JCMA)、日本展示会協会(日展協)、日本イベント産業振興協会(JACE)、MPI Japan ChapterのMICE4団体による、合同交流会が東京・港区のアクアシティお台場で開催された。ARを使った競技「HADO」でチーム対抗戦を行い、その後は会場をカフェに移し交流会を実施。若手を中心に約50社から200人近くが参加した。

「東京ゲームショウ2024」が幕張メッセ全館使用を発表
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が9月開催予定の「東京ゲームショウ2024」について、4年ぶりに国際会議場やイベントホールを含めた幕張メッセ全館を使用すると発表した。

 


ポートメッセなごやが2026年の貸し止め期間を発表
愛知・名古屋市のポートメッセなごやは、2026年に「第20回アジア競技大会」「愛知・名古屋2026 アジアパラ競技大会」で使用されることから、同年4月から12月までの期間、一部の会場貸出を停止することを発表した。

「GREEN×EXPO 2027」公式マスコットキャラクターのビジュアルを発表
2027年国際園芸博覧会協会は3月19日、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園
芸博覧会)」の開催3年前記者発表会を開き、公式マスコットキャラクターのビジュアルを発表した。

自工会がB to Bイベントの開催を検討
日本自動車工業会(自工会)は3月22日の記者会見でB to Bイベントの開催を検討していることを明らかにした。2023年にはリニューアルした世界最大級の自動車展「JapanMobilityShow(旧:東京モーターショー)」を開催しており、隔年開催のため従来であれば展示会のない年になるはずだった。

東京ビッグサイト周辺で「フォーミュラE」が開催
3月30日・31日に東京ビッグサイト周辺で「電気自動車のF1」とも呼ばれる「Formula E 2024 Tokyo E-Prix (フォーミュラE東京大会)」が開催された。また、それに合わせて関連イベント「E-Tokyo Festival 2024」が東京ビッグサイト東1~3ホール、西1~4ホール、西アトリウムで行われた。

 


JCDの新社長に藤原卓行氏が就任
4月1日付で、「nano tech 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」などの展示会を主催するJTBコミュニケーションデザイン(JCD)の新社長に藤原卓行氏が就任。藤原氏は2022年よりJTB 執行役員ツーリズム事業本部 仕入商品事業部長を務めた。

JCMAが観光庁に提言を提出
日本コンベンション協会(JCMA)は4月11日、観光庁に「次のステージへ MICEの産業化へ向けた提言」を提出した。提言では①「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」に沿った取り組みを強力に推進、②MICE産業全体の底上げ、③産業育成の観点から、省庁横断でMICEの活用を積極的に推進、④政策実現のためのMICE関連予算の拡充、の4点について強く訴えた。

大阪・関西万博1年前
4月13日に「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」開催1年前となった。これに伴い大阪と東京を中心に関連イベントが次々に開催された。

 


「JAPAN MOBILITY SHOW」と「CEATEC」の併催が発表
日本自動車工業会(自工会)は5月23日の記者発表会で、2024年10月に「JAPAN MOBILITY SHOW」と国内最大級のIT・エレクトロニクス展「CEATEC」を幕張メッセで併催すると発表。同時に2024年はB to B 、2025年はB to Cといったように、B to B(プロセスイヤー)とB to C(ショーイヤー)を交互に回していく方針であることを明らかにした。

札幌市が計画中の新展示場整備事業について札幌展示場PFIと契約
札幌市は2027年9月に豊平区・月寒グリーンドーム跡地にオープン予定の新展示場について、5月27日に大林組グループが代表を務める特別目的会社(SPC)札幌展示場PFI(代表:川村 彰)と整備事業を締結した。札幌展示場PFIは2042年まで展示会場と付帯施設の施設整備、維持管理、SPC運営管理を行う。

JCMAが関西支部の立上げを発表
日本コンベンション協会(JCMA)は6月12日の「第9期(2023年度)社員総会」で、設立10種年を迎える2025年に初めて大阪で社員総会を開催予定であり、それを機にJCMA関西支部を立上げることを発表した。

 


「第10回JACEイベントアワード」最優秀賞が決定
日本イベント産業振興協会(JACE)は6月14日、「第10回JACEイベントアワード」表彰式を東京・港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで行った。191作品の中から最優秀賞・経済産業大臣賞(日本イベント大賞)に「柏の葉イノベーションフェス―RALKINGU CITY―」が選ばれた。

「GREEN×EXPO 2027」公式マスコットキャラクターの名前を発表
2027年国際園芸博覧会協会は6月22日、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園
芸博覧会)」が開催1000日前を迎えたことから記者発表会を開き、一般公募の結果、公式マスコットキャラクターの名称が「トゥンクトゥンク」に決定したと発表した。

東京ビッグサイトの新社長に前田信弘氏
6月25日付で東京ビッグサイトの代表取締役社長に前田信弘氏が就任。前田氏はこれまで東京都の副知事などを務めた。

 


インテックス大阪の新理事長に北岡均氏
7月1日付で大阪国際経済振興センター(インテックス大阪)の理事長に北岡均氏が就任。北岡氏は2020年6月から4年間、専務理事として務めた。

日展協が韓国・釜山の視察団と会合
日本展示会協会(日展協)国際交流委員会は7月3日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで韓国・釡山の「グローバルMICE視察団」と意見交換を行った。視察団は釡山コンベンション産業協会、学界、釡山市および釡山経済振興院関係者、現地運営会社から構成。両国の展示会産業の現状や、安全・安心、サステナビリティ、人材教育および確保といった課題について話し合った。

東京ビッグサイトで「LIVeNT 2024」が開催
7月3日から5日まで、東京ビッグサイト南展示棟でRX Japanが主催する「LIVeNT(ライベント)2024」(構成展:「ライブ・エンターテイメントEXPO」「イベント総合EXPO」)が開催され、3日間で26,701人が来場した。また、2025年は会期・会場を変え、1月22日から24日まで幕張メッセで開催することも発表された。

 


MICE4団体合同モルック大会が開催
8月6日、東京・千代田区にある御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで、日本コンベンション協会(JCMA)、日本イベント産業振興協会(JACE)、日本展示会協会(日展協)、MPI Japan ChapterのMICE4団体が合同で「モルック大会」を開催。モルックとは木の棒(モルック)を投げて倒れた木製のピン(スキットル)のスコアを競う、フィンランド発祥のカジュアルスポーツ。若手中心に70人以上が参加し、交流を図った。

「JAPAN MOBILITY SHOW」B to Bイベントの名称が決定
日本自動車工業会(自工会)は8月20日、10月に開催する「JAPAN MOBILITY SHOW」B to Bイベントの名称を「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK」に決定したと発表した。

八芳園がリニューアルプロジェクトを発表
東京・港区白金台にある八芳園は8月22日、2025年に行うリニューアルの内容を発表した。2025年2月〜9月の期間全館休館し、10月1日にグランドオープンする。150人以上対応の会場の空きが少ないことから、大人数対応に対応するほか、庭園を見下ろす5〜6階を対象に改修を進め、会員限定のクラブフロアも設ける。

Aichi Sky Expoが開業5周年を迎える
愛知・常滑市にあるAichi Sky Expo(愛知県国際展示場) が8月30日で開業5周年を迎えた。

 


MICE関係者のためのサステナビリティガイドブックが完成
イベントMICEサステナブル運営コンソーシアム(構成団体:2025年日本国際博覧会協会、日本イベント産業振興協会、日本コンベンション協会、日本ディスプレイ業団体連合会、日本展示会協会、大阪観光局)は9月20日、「イベントMICE関係者のための使いやすいサステナビリティガイドブック」完成記者発表会を開催した。特に注力するテーマとして「環境(脱炭素、資源循環)」、「人権(労働安全衛生、DE&I)」、「社会貢献」の5つが設定されている。

「[九州]半導体産業展」初開催
9月25日と26日の2日間、マリンメッセ福岡B館で「[九州]半導体産業展」が初開催された。運営はイノベント。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に半導体工場を建設することが決まったことを受けての開催だった。

「東京ゲームショウ2024」過去最高規模に
9月26日から29日まで幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2024」は出展者数985社、出展小間数3,252小間と、いずれも過去最大規模を記録。来場者数は前年から31,501人増の274,739人だった。

東京ディスプレイ協同組合が60周年記念事業を開催
東京ディスプレイ協同組合(東デ協)は9月27日と28日に東京・千代田区の東京ミッドタウン日比谷で60周年記念イベント「超・文化祭」を開催した。

 

10


JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEKが初開催
10月15日から18日まで幕張メッセで「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK」が初開催された。併催は25周年を迎えた「CEATEC」。会期中には「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」を東京ビッグサイトを中心に、2025年10月30日から11月9日までショー形式(B to C)で開催することも発表された。

「Japan MICE EXPO」がインテックス大阪で開催
Japan MICE EXPO 2024実行委員会(大阪観光局、大阪国際会議場、大阪国際経済振興センター)は10月17日と18日にインテックス大阪で「Japan MICE EXPO 2024」を開催した。「Japan MICE デスティネーションEXPO」「MICE 開催支援EXPO」の2展で構成され、MICEのサプライヤーや全国の自治体・コンベンションビューローなどが出展した。

幕張メッセ開業35周年の式典を開催
幕張メッセ10月21日、国際会議場コンベンションホールで開業35周年記念パーティー「ありがとう!祭り」を開催した。式典には進藤孝生会長や今清水浩介社長に加え、熊谷俊人千葉県知事、神谷俊一千葉市長も出席。オープニングパフォーマンスでは八千代松陰高校書道部による演舞が行われた。

 

11


JIMTOF過去最大規模で開催
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは11月5日から10日まで、東京ビッグサイト全館で「JIMTOF 2024(第32回日本国際工作機械見本市)」を開催した。出展規模は過去最大の1,262社5,743小間で、12万9,018人が来場。海外からの来場者は1万423人と、前回の4,815人から3倍近く増加した。

 

12


JNTOが2023年の国際会議統計を発表
日本政府観光局(JNTO)は12月13日、2023 年に日本で開催された国際会議の統計を発表した。開催件数は1376件となり、前年比2.5倍。参加者総数は101万6,000人(うち外国人参加者数12万9,000人)で前年比3.1倍を記録し、2022年から大きな回復を見せた。

年末年始の休業日につきまして

株式会社ピーオーピーでは年末年始の休業日につきまして、下記のとおり休業日とさせていただきます。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。

年末年始休業日
2024年12月30日(月)~2025年1月5日(日)

※2025年1月6日(月)より、通常営業を開始いたします。

【体験レポート】丹青社の若手社員が中心となり作り上げた「超文化祭2024」

商業施設やオフィス、ホテル、イベントなどの空間づくりを行う丹青社は2024年11月27日から29日まで、空間演出技術の研究開発・実証拠点「港南ラボ マークスリー[Mk_3]」で、若手社員が中心となった“自主実践プロジェクト”の研究活動成果を発表するイベント『超文化祭2024』を開催した。その体験レポートをお届けする。

おもてなし×AR『Welcome to Mk_3-うぇからぼ-』

会場に着き、最初に体験したのがおもてなし×AR『Welcome to Mk_3-うぇからぼ-』だ。ARアプリを起動して会場の入口にカメラを向けると、CMIセンターのオリジナルキャラクターであるイグアナの「いぐっち」が花火と共に盛大に出迎えてくれた。それに導かれるようにしてエレベーターで2階へと移動すると、メイン会場のエントランスでは先ほどのいぐっち(いつの間に先回り?)に加え、同じくCMIセンターオリジナルキャラクターで猫の「カミール」、蛾の「もるるん」がカラフルな装飾と共に歓迎してくれた。ちなみにこの3匹のキャラクターの頭文字はつなげると「CMI」になるという、なかなかニクいネーミングだ。個人的に好きな造形のキャラクターだったのでグッズはないのかと聞いたところ、現時点では販売されていないとのこと。残念。

会場入口で出迎えてくれるイグアナの「いぐっち」
メイン会場エントランスでは3匹のキャラクターがお出迎え
個人的にグッズ化を希望

指文字×AR『見つけて!YU-MO』

メイン会場でまず体験したのは、指文字×AR『見つけて!YU-MO』だ。ARを使った聴覚障がい者の日常を疑似体験できるコンテンツとなっており、企画・キャラクターデザインからiPadアプリとARシステム構築まですべて丹青社の社員が手掛けた。はじめにヘッドホンを装着すると、ノイズが流れ、外界の音はすべてシャットダウンされる。その状態のまま指文字が描かれた台座の前に移動しiPadを向けると、ARを使った動画が映し出される。台座に描かれた指文字をヒントに、その動画が表しているものが何かを回答し、次の台座へと向かう。最終的にすべての回答をつなげ、正解のキーワードを答えられると景品がもらえるといった内容だ。ちなみに筆者(謎解きにはちょっと自信あり)は途中の回答をミスったため意味不明なワードができてしまい焦りに焦ったが、ラスト1分くらいで突如ひらめき、ギリギリ正解することができた。なかなかの難易度だったと思う。

ヘッドホンを装着前にレクチャーが行われる
『見つけて!YU-MO』のARに登場する個性豊かなキャラクターたち

記念写真撮影『一緒に決めポーズ』

続いて、記念写真撮影『一緒に決めポーズ』を体験した。超文化祭2024限定のデザイン枠3種から好きなデザイン1つを選んで記念撮影し、印刷されたQRコードを読み込むと撮影した画像をDLできるというもの。パナソニック システムデザイン協力のもと、丹青社がフレームデザインを行った。通常の記念写真と違いQRコードを使用しているため、好きなタイミングでDLできるのが現代的だと感じた。また、DL用のQRコードの下には宣伝用のQRコードも表示されており、広告枠として使うことも想定された設計になっているという。

デザイン選択画面。『見つけて!YU-MO』のキャラクターたちも

没入映像×センサー『未来の遠隔検査システム テレプレくん』

次に体験したのが、没入映像×センサー『未来の遠隔検査システム テレプレくん』。複数のプロジェクターを組み合わせ、壁と床の2面に映像を投影することで没入感のあるコンテンツに仕上げた。未来の検査ドローンであるテレプレくんを遠隔操作し、引渡し前のカフェの検査と遠隔塗装補修を行うという丹青社らしいストーリーも面白い。投影システムにはUnityを使っており、ハイクオリティの映像は迫力満点。ドローンで品川の街を滑空していくシーンではちょっとしたジェットコースター気分も味わえた。遠隔塗装補修のシーンはゲーム仕立てとなっており、コントローラーを使って自分のペンキを他の人よりたくさん塗った方が勝ちという某イカゲーのような内容で、ゲーム好きの筆者が大人げなく全力を出し1位をもぎ取ったのは言うまでもない。

映像はドローンが丹青社(本社)から現場に向かうところから始まる
未来のカフェ引渡し前の塗装補修はゲーム形式で行われる
今回のために作られたテレプレくんの模型。光っているのはLEDではなく塗料によるもの

生成AI『Create Hobby World-もうひとりの私達-』

続いて体験した生成AI『Create Hobby World-もうひとりの私達-』は、タブレットで質問に回答することで、AIが「もうひとりの自分」を表現した動くアバターを生成してくれるというもの。制作には映像会社のレイが協力した。筆者は「あなたを表現する色」をコバルトブルー、「あなたが憧れるもの」を忍者、「あなたが好きなもの」を犬と回答したところ、アメコミに出てきそうな青い忍び装束に赤い犬の面を付けためちゃくちゃカッコいいアバターが誕生したので、「いぬにん」と命名した。これがもうひとりの自分だとしたら最高にクール!ちなみにこのアバターは大型Lモニターに映し出された「ワールド」に転送することで、自分の前に生成された他のアバターと一緒になって動き出す仕組みで、その動き方にも個性があり思わず「おおっ!」と声をあげてしまうユニークさだった。(AIにおける著作権の問題があるためアバターをきちんと記事で紹介できないのが残念だ……)

どんなアバターが生成されるのか、ドキドキの瞬間
めっちゃカッコいいアバターができました(※写真はモザイク処理を行っています)

参加型メディアアート『だれでも☆アイドル』

最後は参加型メディアアート『だれでも☆アイドル』を体験した。アイドル衣装や小物が用意されており、それを身に着けグリーンバックの前に立つ。スタッフから「はい、ここで決めポーズ!」といった指示が出されるので、それに応じてポーズを取っていく。すべての撮影が終わると、ものの1~2分で自分がアイドルになったようなショートムービーが生成される。そして、次の体験者がアイドルになると、自分はそのファンとなってムービーに登場する。それが延々と連なり、1つのコンテンツとなっていく仕組みとなっていた。プランニングと配信システム構築を丹青社が行い、システム開発はメディアアート作品を得意とするGRINDER-MANが協力した。

グリーンバックでの撮影。アイドルに成りきるためスタッフが盛り上げてくれる
連なっていく生成ショートムービー(※写真はぼかし処理を行っています)

すべてのコンテンツを終え……

すべてのコンテンツを体験し、プリントアウトされたステッカーやノベルティなど、たくさんのお土産を抱えて会場を後にした。体験したコンテンツはどれも若手社員が中心となって制作したとあって、感性を刺激されるものばかりだった。また、商業ベースではなく実験的なコンテンツだからこそ実現できるような内容のものもあり、自由な発想と最新技術が組み合わさることで、これからの時代を彩るような革新的なコンテンツが生み出されるのだと改めて感じた。……などと言っていると本当に締めのようだが、実はまだあり、帰り道の丹青社本社に至る道でいぐっちたちがお見送りをしてくれたのだ。AR越しに品川の空には「ありがとう」というメッセージが記されており、最後まで何とも心温まるイベントなのであった。

こちらこそ「ありがとう!」

【レポート】「SEMICON Japan 2024」が東京ビッグサイトで開催

12月11日〜13日、東京ビッグサイトにて「SEMICON Japan 2024」が開催された。

同展は、半導体産業における製造技術、装置、材料をはじめ、車やIoT機器などのSMARTアプリケーションまでをカバーする、エレクトロニクス製造の国際展示会。

主催はSEMIジャパンで、半導体パッケージング、基板実装分野のトッププレイヤーが集結する「Advanced Packaging and Chiplet Summit(APCS)」も同時開催された。

来場者の合計は102,987人だった。 (2023年は85,282人)

今週の展示会スケジュール(12/16~12/22)

▽東京
12/19(木)~12/20(金)
東京ビッグサイト
WOODコレクション2024 Plus

▽大阪
12/18(水)~12/19(木)
コングレコンベンションセンター
Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2024 in 関西

▽福岡
12/17(火)~12/19(木)
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【レポート】「中小企業 新ものづくり・新サービス展」東京ビッグサイトで開催

2024年12月4日(水)から6日(金)にかけての3日間、東京ビッグサイト東7~8ホールで全国中小企業団体中央会が主催する「中小企業 新ものづくり・新サービス展」が開催された。

同展は「ものづくり補助事業」に取り組んだ全国の中小企業が新たに開発した製品・サービス・技術等と、それをビジネスに活用したい人をつなぐための展示商談会。中小企業基盤整備機構の中小企業生産性革命推進事業の一環として開催している。

会期中は全国から約500社の中小企業が出展。「情報・通信」「医療・生活・ヘルスケア」「物流・ サービス・その他」「電機・電子部品」「環境・建設・エネルギー」「農林水産・食品」「化学・繊維・紙」「機械・部品」の8分野で自社の製品やサービスの提案を行った。

京都府の鳥本製畳はフローリングに代わる次世代の床材を出展。畳の心地よさを高性能素材で実現しており、高いクッション性と安定性を備え、傷つきにくく部分取り換えが可能な点が特徴となっている。

鳥本製畳の床材

佐賀県の光武酒造場はジャパニーズジン「赤鳥居」を展示。元禄元年(1688年)から受け継がれる酒蔵の伝統技法で醸された日本酒(大吟醸)がベースとなっており、芳醇な口当たりと、ジンらしい爽やかな香りが特徴。

光武酒造場のジャパニーズジン「赤鳥居」

福岡県の龍宮は脱脂綿とガーゼを用いた清潔寝具「パシーマ」を展示。肌に優しく丈夫で乾きやすく、夏は涼しく冬は暖かいという優れもの。これまで第6回「ものづくり日本大賞」の九州経済産業局長賞などを受賞している。

龍宮の寝具「パシーマ」

 

 

 

 

 

 

 

【対談】展示会ビジネスの魅力と未来① 堀正人 × 管埜寛之

マーケティングの代表格である「展示会」は、どのような役割を担い、なぜ必要なのか。この根本的な問いに対して、長年にわたり展示会ビジネスを手掛けてきた堀氏と管埜氏が対談を通じて思いを語る。展示会ビジネスの魅力とは何か、未来の展示会とはどのような姿なのだろうかを問う。(聞き手=池上龍朗)

※本記事は展示会専門紙『見本市展示会通信』に掲載した内容を編集したものです。

 

展示会との出会い

ーーまず、最初にお二人の展示会との出会いについて伺いたいです。どのようにして展示会と出会ったのですか?

管埜 私の場合、展示会に強く惹かれたのは海外の展示会がきっかけです。音楽雑誌に関わっていたときに、ドイツの「Musik Messe」やアメリカの「NAMM Show」という大きな楽器展示会に出向きました。これが「自分もこんなビジネスの世界に入りたい」と思った大きな動機でした。
それまで展示会というものを強く意識したことはなかったんですが、いろんな会社の人が集まっていて、製品を売る人、買う人、そして支える人が一堂に会して、業界全体が見えるような場所だと感じたんです。

管埜 寛之 氏

ーー管埜さんが業界に入った頃、展示会はどのような時代だったのでしょうか? 

管埜 具体的に言うと、1980年代前半ですね。その頃、東京モーターショーのような、日本風の展示会がすでに存在していたことは後から知りました。ただ、その時はそれほど真剣に見ていたわけではありません。おそらくその頃、民間の主催者は少なかったのではないかと思います。
例えば、展示会って業界団体や日本経済新聞社、日本工業新聞、日刊工業新聞といった大きな公的な機関が主催するイベントというイメージが強かったですね。

ーー堀さんの場合はどのような出会いだったのでしょうか?

堀 私はもともと広告会社にいました。広告会社で展示会というものを見てきましたが、広告のゴールはブランドビルディングやイメージの構築です。その中で、展示会に興味を持った理由は「費用対効果」がはっきり見える点でした。
広告の目的は購買につなげることですが、展示会は商談を通じて購買に直結するところが面白いなと。特にB to Bの分野では、確実に購買に結びつく手段として展示会が有効だと感じたんです。例えば、B to Cの商品とは異なり、B to Bでもリアルな購買の場として展示会は魅力的でした。広告業界はB to Cに強いですが、展示会業界も別な意味で非常に魅力的だと気づいたのです。
広告業界は約7兆円規模のビジネスで約15万人が働いていますが、展示会業界はまだまだ規模が小さいです。ただ、その魅力は非常に大きいと感じました。広告業界で働きながら、展示会の可能性を見出したのが、私の出会いでした。

堀 正人 氏

ーーすごくわかります。新しいビジネスモデルに携わる楽しさが伝わりますね。

 展示会の魅力は、ゼロから自分のアイディアでビジネスを創れることですね。既存の商品に何かをプラスするのではなく、完全に自分の発想からスタートできるのが大きな魅力です。

管埜 いわば「メーカー型ビジネス」ですよね。ソニーのようにイノベーションを重視して新しいものを生み出す発想に近いと思います。受注型のイベントやコンベンションが多い中、ゼロから商品を開発して価格なども設定する経験は、なかなか得られないものですよね。

 同感です。会社の中でも「作業」「仕事」「ビジネス」と3つの段階があると思います。そのうちの「作業」は指示されたことをこなすだけ、「仕事」は決められた役割を果たすこと。でも、「ビジネス」はゼロから作るものです。展示会にはその「ビジネスを作る」魅力があるのですよね。

 

展示会というビジネスモデル

ーーなるほど。では次に展示会のビジネスモデルについて、昔と今、そして未来をどう見ているか、少し話を聞かせてください。私がこの業界に入ったのは20年くらい前で、当時は社団法人系の展示会が主流でした。でも、アメリカに行ったら全然違う展示会の姿があって。お二人がその変化をどう感じているのかにも興味があります。

管埜 私は出版業界も経験してから展示会業界に移ったんですが、展示会ビジネスで特に良いと思ったのは「お金が先に入ってくるビジネスモデル」だということが大きな驚きでした。
ご承知のように、いわゆるキャッシュフローが前受けなんです。
こういうモデルですから私が以前経営していた会社でも、幸いにも銀行から借金したことはありませんでした(笑)。展示会ビジネスは、キャッシュフローの面でも実に珍しいビジネスだと思います。

堀 よく海外のビジネスマンから「日本の展示会はビジネスを追求していく手段としては、甘い」とか、「ただの大人の遊園地みたいなものだ」って言われることがあるんです。でも、日本の展示会にはまだまだ成長の余地がありますよね。商談やROI(投資収益率)をもっと追求していかなければならないと思います。

管埜 そうですね、そして、その機能をもっとわかりやすく説明することが大切です。

堀 そういう意味では、やはりもっと仕入れや購買の場としての展示会を目指すべきだと思います。商談が契約に結びつくような仕組みを作ることが重要です。
その業界内に展示会が一つしかなければ、それでもいいかもしれませんが、競合する展示会がある場合は、商談がしっかりと「見える化」されていることがより求められます。商談を契約に繋げるためには、質の高いリードが必要だからです。
さらには、サステナビリティに対応していない展示会はこれからの時代には通用しません。サステナブルで、安全・安心な展示会を目指さないといけないと思います。さらには事前マッチングを行い、どの企業がどのくらいの規模で購買をするのかを明確にしておくことが求められます。

ーーそうした機能をもっと強化していくべきですね。

堀 来場者数の管理も重要ですが、もっと先を見据えた対応が必要です。

管埜 また、展示会場内でのリアルタイム・データも活用できるようにしていくべきですね。

堀 そうすることで、出展者にとっても魅力的な展示会になると思います。リアルな出会いから生まれる真剣な商談の場を提供することが大切です。AIやIT技術を活用して、さらに魅力的な展示会を作り上げることが求められていますから。
展示会でのマッチングもAIでより効率化できるようになるんじゃないかと感じています。

管埜 そうですね、AIの役割が増えてきますし、DX(デジタルトランスフォーメーション)も進んでいますからね。

堀 たとえばアメリカの展示会は本気でビジネスに直結するように取り組んでいるのに、日本はまだそうではないんですよ。来場者にお金を払ってまで参加をお願いする、つまり「招待バイヤーとして来てくれ」とお願いするのは本当にすごいと思います。未来を見据えた考え方ですよね。

管埜 登録の話の続きになるのですが、アメリカの展示会では、出展者も全員レジストレーションしています。日本ではまだ一般的ではないですが。
というのは、出展者同士のマッチングも行われるからです。そのため、来場者も出展者も、誰が来ているのかをしっかり把握する必要があります。「出展者と来場者」「出展者と出展者」に同じレベルの商談の可能性を見据えているわけです。

堀 確かに、出展者同士のマッチングによりビジネスがスタートすることも多いですからね。

管埜 1997年に「COMDEX Japan」を開催した際、アメリカ風の来場事前登録手法をそのまま導入するよう米国本社から要請されました。当時、まだEメールが普及しておらず、FAXで事前登録を行いましたが、その登録用紙が2万件も届いたんです(笑)。というのも、事前登録しない場合は5000円の参加費を頂きますよと告知したからでした。
先ほどのお話につながりますが、出展者に対しても同様に登録をおねがいしました。ですが、「なんでそんなことが必要なんだ」と猛反対を受けました。意識の違いを痛感しましたね。
商談を最大限に活かすためには、そうした可能性も視野に入れて教育していかないと、なかなか理解が進まないところがありますね。数年かけて少しずつ理解を得ましたが、やはり難しい面もありますね。こういうことからも出展者側にレジスター(登録)を義務付けている国内展示会はまだあまり見かけないですね。

堀 実は私は、展示会や商談会に、新しい名称を付けたいと考えているんです。「展示会」という名称が少し古めかしく感じられるので、「新しい価値を持ったビジネスマッチング・イノベーションを起こす場」というような言葉を作りたい。
アメリカでは「テーブル」などという言葉で商談を指すことがあるそうですが、私たちもそれに相当する言葉が必要だと考えます。リコーの「リコピー」が「コピー」という商標がジェネリックな言葉になったように、日本の展示会を表す適当な新しい言葉があってもいいかもしれません。商談の重要性を強調するためにも、メディアとしての展示会の新たな名称を模索したいですね。

管埜 素晴らしい考えだと思います。同感です。

堀 ぜひ真剣に考えてみたいと思います。確率論の問題として、来場者数が増えれば増えるほどマッチングの可能性も上がります。ぜひ一緒に新しい名称を考えましょう。展示会に代わる言葉がないのは少しもったいない気がしています。

 

展示会の呼び名、現在ではどう変化?

管埜 ところで、現在言葉として「展示会」と「見本市」という2つの呼び名が国内ではあるわけですが、現在どちらが多く使われているのでしょうか?

ーー現在は「展示会」の方が多いです。「見本市」という漢字だと、「市(いち)」という言葉を若い世代が読めないこともあるようです。「みほんし?」となったり(笑)。

管埜 そうなんですね。それは驚きです。

ーーすごくショックですよね。衝撃でした。一方で、出展者がデジタル化や見える化を求めている背景があるのか、それともお二人は主催者としての義務としてそのように進めていくべきだと感じているのか。あるいは、業界としてそうあるべき、どちらでしょう?

堀 今はDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んで、例えばラーメン店でも無人ロボットが導入されている時代です。展示会も業種に合わせて変わっていく必要がありますよね。
あと、もう一つ思うのは、日本は島国で内需型のビジネスとしての位置づけですので、展示会も海外をあまり意識していなかったんです。業界団体が国内マーケットだけを対象にしてきたため、そこが展示会の限界になっているのかもしれません。

管埜 確かに、一般的に業界団体主催の展示会はその業界の活性化が目的で、来場者も限られていますよね。でも、民間の主催者が関わると、もっと広い層を対象にしたビジネスとしての展示会ができる可能性が高まると思います。

堀 その通りです。業界団体だけでは限界があるので、民間の主催者と協力して間口を広げる動きもあります。ただ、まだ日本ではそういった取り組みの可能性がまだたくさんありますね。
IT業界の展示会などでは、先進的な取り組みも増えてきましたが、多くの業界では「商売優先」で保守的なところが多いです。とはいえ競争がある以上、主催者は一歩先を見据えた効率化やサステナビリティ、IT・AIの活用を進めなければなりません。

管埜 そのためにはさまざまな面で政府のサポートが必要だと思いますが、日本ではまだ変化を進めにくい点があります。なぜ日本ではこのような状況なのか考えるべきでしょう。やはり費用の負担が問題なのでしょうか?

堀 確かにサステナビリティの推進には費用がかかります。そして、それを誰が負担するのかが課題です。国や会場が負担するのか、主催者や出展者、あるいは来場者が負担するのか明確でないため、実現の速度については難しいと思います。ただ、実態としては主催者が負担しています。

管埜 現実的には、主催者が負担するしか選択肢がないというのが厳しいところですね。

堀 日本では優等生的な姿勢でサステナビリティを進める傾向がありますが、責任を持つ主体が必要です。私個人としての一つのアイデアは、会場が主導権を持つという考えです。会場側が基準を設定すれば、主催ごとのばらつきも減るでしょう。
会場を利用するなら、主催者は会場の一定の安全基準やサステナビリティ条件に従うことが必要で、費用が高くてもそれらを守ることになります。海外では、主催者がその役割を担って増加分の費用を負担しているケースが多いです。例えば、ドイツでは展示会場を所有している主催者が多く、その分フレキシブルな運用がやりやすくなっているようです。

管埜 日本の政策は一般的にガイドラインのみを作成してあとは業界に任せることが多く、資金援助はあまりありません。しかし、他の国(タイ、韓国など)では政府が資金を提供している場合もあるようです。

 

ビジネスマッチング機会の重要性

ーーコストとバランスの問題もありますが、ビジネスマッチングの可能性をどのように高めるかって大事だと思います。お二人はどのように考え、将来的には展示会をどうしていきたいと考えているかをお聞かせいただきたい。

堀 展示会で一番の成果物といえば「商談」、つまり「リード(見込み顧客)」を得ることだと思います。リードの獲得、つまり商談のROI(投資利益率)を高めるのが重要ですね。展示会では来場者や出展者が相互にリードを見つけられる場所でもありますし、これをどう最大化するかがポイントです。
理想的には、展示会で「商談」を超えて「成約」まで至れる場にしたいですね。つまり「リード獲得、プラス、顧客獲得」が目標です。

管埜 そうなると、展示会がビジネスマッチングの場としてさらに進化することになりますね。

堀 その通りです。展示会の運営には「逆商談」というもうひとつの商談の機会もあって、例えば普段なかなか会えないバイヤーに出展者が直接話しかける場を設けたりします。ここでのマッチングはAIを活用して効率化することで、商談の精度が上がります。
購買仕入れ会を設けるのも一案ですね。出展者が来年の展示会でどれだけの商談を見込むかを予測することで、展示会全体の価値が高まります。
また、展示会の良さは「偶然の出会い」にもありますね。予想外の出会いが商談につながることもあります。リアルな場だからこそ、予期せぬ人と会える驚きが展示会の魅力の一つだと思います。

管埜 それも一つの方法ですね。たとえば、コンベンション業界の展示会だと、アメリカやヨーロッパで開催されている「IMEX」ってイベントが面白いですよ。イギリスの民間企業が主催しているもので、事前にバイヤーと出展者がオンラインで当日のアポイントを取れる仕組みが整っています。
展示会の数週間前に「どんな企業や人と会いたいか」を出展者と来場者がそれぞれ登録しておきます。それによって、会場に行ったときには商談のスケジュールがすでに組まれているんです。

堀 商談一つが出展料よりも価値があるってすごいですね!

管埜 出展者が事前にどんな人と商談できるかがわかるので、展示会に行く意義とモチベーションがより高まるんです。それに、重要なバイヤーには主催者が旅費を負担して招待することもあるそうですよ。

堀 なるほど、面白いですね!

管埜 堀さんが先ほどおっしゃっておられたように、バイヤーを招待するには、それなりの売上が期待できる商談ができることが前提ですから。

堀 トルコのある展示会では、主催者が質の高い価値のある展示会を目指し、「参加すべき優良な出展者」を選んでいるそうです。 通常は誰でも出展できますが、ここでは業界の上位企業が出展すべきだと、主催者がこだわって選んでいるらしいです。

ーー全員が平等に参加するのは難しいですね。やはり企業の規模や費用のかけ方で違いが出ます。

堀 はい。展示会でのビジネスマッチングには3通りあって、ブースでの出会いと逆商談、そしてオンライン商談の補完があると良いと思います。特に来場できない人にもオンラインで商談の機会を提供すると良いでしょう。

管埜 そう、リアルな展示会の会期はたった2~3日間だけですからね。

堀 さらに展示会後にも例えば一定期間にテストマーケティングをできる場、販路の「出口」があると良いですね。例えば、展示会後に百貨店などで商品販売を試せるようにすれば、その展示会の「価値」が上がります。海外の展示会ではこういった「出口」があるのが魅力的ですね。
展示会主催者は、商談の場を増やす努力をしないといけないと思います。リードを獲得するだけでなく、商談を成立させる場を提供することが大切です。
また、一つのアイデアですが、日本でも出展者協会のようなものがあると良いんじゃないかとも考えています。その出展者協会が展示会業界へ物申すことで、業界がもっと襟を正し公正化され、より高度化・活性化されるかもしれません。

管埜 そうですね。そういうプレッシャーも必要かもしれません。展示会の持つ役割やメリットが伝わりきっていないのもあるでしょうね。

堀 同感です。「展示会」が産業やビジネスに与える影響をもっと伝えるべきですね。

(②に続く)