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大阪観光局、MICE再開に向けたガイドラインを発表

大阪観光局は6月3日、「感染症拡大のリスクを抑え、MICEを開催するための主催者向けガイドライン」を発表した。

ガイドラインは新型コロナウイルスにより展示会や学術会議などが相次いで中止・延期となったことを受けてのもの。大阪府・市合意のもと政府方針やMICE事業者の意見、他業界や海外でのMICE再開の先行事例などを参考に感染症専門家の監修を経て策定された。大阪府の自粛要請・解除方針(大阪モデル)に沿った内容で、警戒信号の緑色が点灯していることを前提としており、今後の感染状況などを考慮し必要に応じて改定される。

MICE開催前と会期中の2つの実施事項により構成されており、開催前10、会期中21のチェック項目が設けられている。開催前には感染症対策の方針・組織を整備した上で準備は会場や協力会社と共同で行い、参加者へリスク回避を呼びかけることが求められる。会期中には発熱者・体調不良者の入場を防ぎ、衛生環境を維持し、密閉・密集・密接(3密)を回避することが開催条件となる。

大阪観光局では前例のない環境下でのMICE開催となることから、会場付近の保健所・医療機関の情報提供、マスクなど衛生用品販売およびサーモカメラ・体温測定機器レンタル事業者の紹介、緊急時のコールセンター連絡先や情報提供WEBサイトの案内など支援も行う。

寄稿 新型コロナによる展示会延期・中止の影響について 世界の動きは 寺澤 義親 氏_後編

■5.IFES(欧州のサービスプロバイダー国際団体)
欧州の展示会イベントのサービスプロバイダーが加盟する国際団体International Federation of Exhibition and Events Services(IFES)は3月2日に欧州委員会に対し新型コロナによる経済打撃についてEuropean aid fundによる支援要請を行っているが(注1)3月20日にも「展示会はブース工事なしには存在できない」と深刻な状況をアピールする声明を出している

IFESは独自の調査結果に基づき経済損失について「欧州全体で展示会ブース工事関連で25万人の雇用が失われ、IFESのメンバー約300社は年間売り上げの約半分を失い、欧州全体で1750社と推定されるブース工事企業は国の封鎖で更なる展示会中止にも直面している。展示会業界だけの努力では回復が難しい危機水準に追い込まれている」と説明。

さらに今後の状況についても「多くの主催者は2020年の夏休み前まではすべてのイベントは開催されないと受け止めている。通常欧州の展示会シーズンは年の初めに全体の60%の展示会が開催され、6月下旬から9月初めまで夏休みでその後9月から12月に残り40%の展示会が開催されることになる。今年は2月下旬でイベント中止となり、それから売上がない6か月を生き残る必要があるが平均して年間売上が530万ユーロ、スタッフ(フルタイム)が42人規模の中小企業にとっては大きな負担となる。
IFESの副会長Mr.Torsten Heinzeは「欧州のブース工事業界の年間売上は93億ユーロで個人事業者や技術サービス業者を含めると25万人の雇用を維持しており、3月15日現在での経済損失は深刻で年間売上の46%がすでに失われている。年間売上の約半分の損失はトップクラスの企業でも負担できないインパクトがある。一部の国では失業保険や融資支援もあるが日々債務が増加する中で倒産を検討する企業も出ている。こうした状況に対しては国や欧州委員会の資金支援が必要だ。我々の産業は新型コロナ収束後の経済復興には欠かせない展示会や会議にサービスを提供する。展示会はブース工事なしには存在できない」と改めてその重要性をアピール。

注1:3月5日の要請文書では 3月、4月に欧州全体で予定された614件の展示会のうち大半が延期または中止を余儀なくされている。海外からの参加が制限されると約300万㎡の展示面積がキャンセルされブース工事費を1㎡当たり250ユーロと低く見積もっても欧州の施工会社とサービスプロバイダーは3月と4月だけで7億5,000万ユーロの売り上げを失う。5月までとすると損失額は10億ユーロを超えると説明。
 欧州の施工会社の大半は中小企業が多く売上が1,000万ユーロ以下で5,000万ユーロを超える企業は稀であると説明。展示会シーズンピークの3月と4月で年間売上の15%〜25%が失われ最悪倒産に追い込まれる懸念があり、1,000社以上の会社と1万人以上の雇用が危機に直面するとして欧州展示会の質を引き続き長期間にわたり保証するためにも施工会社・サービスプロバイダーへの資金支援を要請していた。

 

■6.EIA(英国展示会3団体)
英国の展示会主催者(Association of Event Organizers:AEO)、施設団体(Association of Event Venues:AEV)、サービスプロバイダー(Event and Supplier and Services Association:ESSA)の3団体(EIA)は3月25日、英国の首相に業界の深刻な状況と英国産業に果たす役割からイベント業界に対する支援を改めて要請

これは3月5日に首相、観光大臣、ビジネス長官、国際貿易担当長官宛に支援要請と最高レベルの協議を求める文書に続き展示会施設(Excel London)が臨時病院に利用されることに
なったのを受けて改めて支援要請を行った。
この中で3団体はこれまでの感染防止拡大への政府の努力を評価し業界もできる限りの協力をしていることを確認するとともにこれまでの支援策の中で特にイベント産業については言及されていないため主催者、施設、サービスプロバイダー、個人事業者、フリーランスが各種支援を利用できないでいる現状と業界の重要性についてアピールしている。

例えばExcel Londonは多くの展示会、会議、イベントの場所になり毎年英国経済に700億ポンド、展示会だけでも110億ポンドの経済効果、11万4000人の雇用を創出している。
感染拡大防止のために展示会が開催されないだけで1か月当たり10億ポンドの経済損失になると説明。
さらに英国産業は将来も世界をリードすることになるとして英国の主催者は毎年海外から21億ポンド以上の売り上げを英国経済にもたらしており経済回復時にも貢献できると説明。そして豪州、デンマーク、香港が業界支援と感染拡大防止のために国としての支援を決めたことにも言及している。

4月中止の「TECHNO-FRONTIER 2020」オンライン開催へ

日本能率協会(JMA)は6月2日、メカトロニクスとエレクトロニクスの専門技術展「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)」をオンライン開催することを発表した。JMAが主催展示会をオンラインで展開するのはこれが初となる。

テクノフロンティアは今年4月に千葉・幕張メッセで開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。JMAでは要素部品などのメーカーと開発・設計者間での商談機会を設けることで、市場の創出を図る。

オンライン開催はウェブセミナー(ウェビナー)とバーチャル展示会の2部構成で展開。 ウェビナーは前半と後半の2回に分けて開催し、6月18日には旭化成エレクトロニクスによる「機器の小型・低発熱化を実現する電流検知方式とは~高精度電流センサーICの活用法~」が、7月9日にはサイバネットシステムによる「シミュレーションによるノイズ設計の基礎」が講演される。視聴は事前登録制(無料)で、6月2日より登録受付開始。参加定員は各セッション100人 。

バーチャル展示会は9月8日から18日までの開催で、6月2日から7月17日まで出展募集を行う。出展料は資料掲載のみのカタログスポンサーがJMA会員20万円、一般24万円、動画掲載可能なシルバースポンサーがJMA会員45万円、一般54万円(いずれも税抜)で、シルバー以上には自社ページに来訪した視聴者データを提供予定。閲覧は事前登録制(無料)で、8月より登録受付開始予定となっている。

イベントや医療施設に利用可能な空間「SEMIPERMANENT MARQUEES」提供開始 オムニインターナショナル

大型イベントの会場施設の設計、施工を手がけるオムニインターナショナルは、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のための実施策の一環として、広々として開放的な空間「SEMIPERMANENT MARQUEES」の提供を開始する。

「SEMIPERMANENT MARQUEES」は、海外の仮設医療施設にも利用される建物で、10日程度で建設し、すぐに丈夫で安全な空間を提供できる。広さは数100から数1000㎡まで対応可能。仮設施設だが常設利用もでき、撤去も数日で可能。
必要に応じて事務機器、内装デザインや什器のレンタルも受け付けているほか、検温設備やパーテーションの設置にも対応する。
問い合わせは、オムニインターナショナル問い合わせフォームから。

出展者不在の「PHASE」が示す新しい展示会の形

展示会のブースデザインを手がけるSUPER PENGUINは6月1日から5日まで、東京・有明のSMALL WORLDS TOKYOで出展者不在、来場者のみの半リアル展示会「[PHASE] in SMALL WORLDS TOKYO」を開催している。SMALL WORLDS TOKYOは6月11日オープン予定の最先端テクノロジーを使ったミニチュアテーマパーク。

今回、新型コロナウイルスの影響で展示会の中止・延期が相次いでいることを受けての試験開催となった。形式の工夫により、人が密集できない状況でも展示会を開催できる方法を探る。オンラインとリアルの中間の位置づけであり、出展者は不在だが、気になる商品があればオンライン会議ツールZOOMや電話で商談が可能。

石川・金沢市でアパレルの企画・縫製・販売を行うヒロの大沼洋美社長はタブレット端末越しの取材に応じ、「カメラの前にいろんな人が訪れるのが楽しい。新型コロナウイルスでは金沢も酷い打撃を受けており、第二波なども懸念される昨今、こうして遠隔地から参加できる機会は非常にありがたい」と語った。ヒロは85年以上の歴史を有する会社で、これまでにもビジネスガイド社が主催する「東京インターナショナル・ギフト・ショー」などに出展している。今回の出展では一寸法師をモチーフにした針山など、スモールワールズの名に沿った展示で世界観を表現した。

会場内は新型コロナ対策として展示台形状を工夫し、一人で見る形式が取られていて、展示台は2m間隔で設置。受付での体温チェックや除菌スプレーなどによる、徹底した感染防止対策も行われている。

主催のSUPER PENGUINは出展者が遠隔参加するメリットとして、「コストを抑えつつ、日本全国や世界中、どこからでも同じ立ち位置で参加できる」ことを挙げる。アフターコロナ時代における展示会の在り方については「より参加しやすく、より結果が出る」ことが重要だとした。

会場には文具・雑貨メーカー12社が出展し、店舗バイヤーや問屋、展示会関係者が来場対象。入場料は無料となっている。

「第827号 見本市展示会通信」発刊しました

 

 

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙
「第827号 見本市展示会通信」を発行しました。

・一面のニュース:全国で緊急事態宣言解除 展示会・イベントの段階的再開、行政方針に基づいたガイドライン策定へ 日展協 ほか
・〈寄稿〉人類にとって不可欠な「まつり」 宮地克昌氏
・業種別開催データ(2020年7月~12月)<消費財関連>
・〈寄稿〉展示会再開に向けての動き 寺澤義親氏
・一般ニュース

発行について:第827号 2020年(令和2年)6月1日

☞「見本市展示会通信」の詳細はこちら

東京都 小池知事が会見 週明けからロードマップの「ステップ2」 イベント・展示会の目安も変更

東京都の小池知事は記者会見で、モニタリング指標の状況や審議会の意見をふまえ、週明けの6月1日午前0時をもって、新型コロナウイルスに伴う外出自粛・休業要請などを緩和する「ロードマップ」のステップ1からステップ2への移行を実施すると発表した。

これにより学習塾、劇場、映画館、集会、展示施設などへの休業要請が緩和される。

↓なお、東京都のロードマップは22日の発表以降、国の発表を受け26日に一部改定されている。

(↓参考:厚生労働省
第36回新型コロナウイルス感染症対策本部(配布資料)より)

小池知事は「有効な治療薬やワクチンが実用化されていない現在、ウイルスを防ぐのは私たちの強い意志と行動のみ。

新型ウイルスとの戦いは長期にわたることが見込まれ、ウイルスと共に生きて生きていかなければならない。

そこで、これからもコロナとともにということで「ウィズコロナ宣言」を行いたい。「新しい日常」をコロナと共に生きていく、新しい日常をみんなで作っていく、研究、検査、医療体制もしっかりしていく。

「ウィズコロナ」という考え方は避けられない現実として、我々が共通認識として持っていく必要がある」と述べた。

EventBiz(イベントビズ)vol.19 展示会出展の入門ガイド

編集内容

商談成立、ビジネスパートナー発掘など、あらゆるチャンスを生むビジネスイベントの代名詞といえる展示会。
テレビCMなどのマスメディアと異なり、絞られたターゲット層に向け強い訴求が期待できるFace to Faceのメディアという長所から、展示会は大企業だけでなく、多くの中小企業が参加、出展する。
そこで今号はオンライン化が進む現代で今もなお、ビジネス戦略ツールの一つとして存在する展示会の出展フローを解説。はじめて展示会に出展する人はもちろん、出展してもイマイチ効果を実感しない人、何をしていいのかわからず“出展するだけ”になっている人などに向け、展示会の魅力を再発見するコンテンツをお届けする。

特集 展示会出展の入門ガイド

展示会出展の流れ
そもそも展示会とは何か、特性を理解する
01.目的を定める
02.展示会を選定
03.目標を設定する
04.予算を決める
05.求要素から考える出展成功の「い・ろ・は」とは?
展示会で役立つアイテム
06.出展支援業者を探す
07.開催直前から当日の動きまで
08.出展成果を評価・分析する
09.アフターフォロー
展示会出展のための工程表

・延期開催を発表した展示会

・どうする?新型コロナウイルス対策 イベントをサポートする最新ツール・サービス

Pick Up!Exhibition インターナショナル・ギフト・ショー秋2020
展示会の総合分析 2020年1月~3月
開催スケジュール(展示会)2020年6月~7月
論考 宮地 克昌
海外Report EuroShop 2020 Booth Design Report デザイナーが思わず目を引くブース
MICE TOPICS 2020年東京五輪・パラリンピックの延期決定 ほか
My MICE DAY 星 太輔/中村展設


発売日:2020年6月5日
判型:A4判
ページ数:72ページ
定価:2,200円(税込)/1冊  8,800円(税込)/年間

全国有力書店で販売。また、小社からの発送も行っておりますので、上部の購入ボタンよりお申し込み下さい。
お問合せは(株)ピーオーピー 出版企画室(TEL: 03-5687-6841、FAX: 03-5687-6845)

Gメッセ群馬、6月1日にオープン

Gメッセ群馬の開業日が6月1日に決定した。Gメッセ群馬は今年群馬県高崎市に完成した大型展示施設。当初、4月のオープンを予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により開業日を延期。その後も情勢が不安定なこともあり、オープン見合わせの期間を5月末までとしていた。

Gメッセ群馬はオープンに伴い、来場者・主催者への利用ガイドラインも公開している。また4月17日から利用を中止していた駐車場の利用も再開となる。