ワンポイント・アドバイス Vol.2

宮地先生のワンポイント・アドバイス 展示会の壷

Vol.2ワンポイント・アドバイス

最適なレイアウトを

 多くの競合他社が出展する展示会で、まず初めに検討しなければならないことは、メイン動線からの視認性を高めることである。特に少ない出展小間数で最大限の効果を上げるためには、潜在顧客を新規顧客として取り込むために、通路に対してできるだけオープンなブースにするべきである。既存顧客を優良顧客にする場として活用するためには、クローズドな商談スペースを作る必要があり、少ない小間数では困難である。
(展コミvol.2 抜粋)
 

ブースの色彩計画は慎重に

 ブースの基調となる色彩は、VIカラーや製品の色、出展コンセプト、訴求したいイメージ、さらに隣接する企業の出展傾向などを総合的に判断する。
展示会では、トラスなどの仮設用構造材やアルミ、ガラスなどの素材も検討することが大切である。青や赤は大企業のコーポレート・カラーとして利用されているため、小さなブースでの利用は大企業のブースのインパクトに負けてしまう。そのための対策としてはどのような事例があるのだろうか?
(展コミvol.2抜粋 本文事例=フルノシステムズ)

顧客ターゲットに合わせた発想へ

展示会の出展では、VI(ビジュアル・アイデンティティ)計画によって統一されたカラーの使用は、来場者が出展者のブースを見つけることを助ける。
大企業ではなくても、サインやショールーム、展示会を含むさまざまなイベントなど、印刷物だけでなくスペース・デザインでの利用を想定したVI計画を作成すべきである。このVI計画をベースに、出展する展示会の特徴や想定する顧客ターゲットに合わせて色彩を工夫する。
出展担当者も、色に対する感覚のトレーニングと科学的(物理学、生理学、心理学)な色彩体系に関する理解が必要である。

来場者の心理を考えた導線と色彩計画

展示会への出展計画で最も重要な要素の1つがブース(出展コマ)内のゾーニング(配置計画/レイアウト)である。ブース内に必要な構成要素であるアテンションや受付・資料配布、展示解説スペース、ステージ、商談スペース、バックヤード(控室、倉庫、映像・音響機器など)を、出展目的を達成するために、出展小間の中で最適にレイアウトしなければならない。
また、多くの出展者が目立つことを競い合っている混沌とした会場では、赤と青の原色を中心に、さまざまな色がひしめき合っている。展示会出展における色彩計画は、招待状のデザインからインターネットのサイトでの案内、ブースやサイン、解説パネル、コンパニオンや解説員のユニフォームまで、総合的に検討する必要がある。(展コミvol.2 抜粋)

 

Interop Tokyo
「Interop Tokyo2007」が6月13日から15日までの3日間、幕張メッセで行なわれた。同展はアジア最大級のネットワーク・コンピューティングイベントとして知られている 。「インターネット」という唯一の共通ワードを元にあらゆるジャンルの企業が集結し、ネットワーク環境の実現に不可欠な最新の基盤技術・製品群やリューションを展示した。
毎年、300社以上が出展し、今年は157,917人が来場した。

 

プロフィール

宮地 克昌(みやち かつまさ)1958年東京生まれ
1980年早稲田大学 理工学部 建築学科卒。(株)乃村工藝社、(株)博報堂を経てフリーに。現在、福山大学人間文化学部人間文化学科メディアコミュニケーションコース客員教授。
(社)日本イベント産業振興協会主任研究員。イベント学会会員